鴻巣市よりご来店頂きました。

大正時代の手巻き時計です。お掃除の際に誤って落としてしまったそうで、ガラスや文字板も外れ長針・短針も曲がった状態でした。

文字板はグニャリと歪みめくり上がっていました。溶接等火を入れられない為、裏側から特殊接着で補強します。

裏面には当時の職人さんが書いた過去の修理内容が記してありました。昭和8年に磨き・2番車直し。昭和15年分解掃除など、歴史を紡いできたんだな〜。と感じます。

違和感なく戻す事ができました。

ヒンジも半分取れかかっていたので補強します。

しばらくの間、何もメンテナンスをされていなかったとの事で細かくチェックしていきます。

古い油や汚れが強く付着していました。分解すると↓

長年歯車を抑えていた箇所も摩耗しています。叩いて寄せなければなりません。頑固な汚れは徹底的に綺麗にしていきます。

長年時打ちの音を聞いてない。とおっしゃっていたので原因を探っていると・・・

以前ご紹介したhttps://tanida1944.com/repair/愛知時計(手巻き掛け時計の修理)分解掃除/

と同じく、ゼンマイを巻いた際に緩んだり戻らないように止める為のハジキバネが破損していました。

緑色が正常。赤丸のバネを加工して取り付けます。

あとは1つ1つの歯車を丁寧に洗浄し注油をしながら組み立て、微調整を繰り返して完成となります。

お客様は持ち込まれた際の破損状態で直るものか心配されていましたが、木枠の欠け以外は問題なく元気になりました♪

久しぶりに聞くボーンボーンの音にとても感動されていました(^ ^)

100年動き続け、家族を見守ってきた掛け時計。またずっと一緒に時を刻んで下さい!

 

今回のような修理。20,000円くらいから承ります。

通常納期は1ヶ月ほど頂いておりますが、現在富山県や山形県など県外からの修理依頼もある為、2ヶ月から3ヶ月お時間を頂く場合がございます。ご了承下さい。

 

おかげさまで創業77年。時計修理・電池交換・指輪のサイズ直しやリフォーム加工・オーダー・記念日プレゼントなど、「タニダ」にお任せ下さい。

いいものいつまでも・・・。